ページ 1
むかしむかし、三匹の子豚が田舎の小さな家で母と暮らしていました。自立できる年齢になった時、母はそれぞれに食料の入った袋を渡し、「頑丈な家を建てなさい。知らない人には絶対にドアを開けてはいけないよ」と告げました。三匹は母に抱きつくと、家を出て旅立ちました。
ページ 2
長男は笛を吹く時間を確保するため、とにかく早く作業を終わらせたいと考えていました。藁を運んでいた農家のおじさんに大きな藁の束をもらい、たった半日で家を建ててしまいました。黄金色の屋根はとてもきれいで、長男はドアの前に笛を吊るすと、雨宿りができるだけで十分だと考えました。
ページ 3
次男は採寸や建築よりも、歌を歌ったり踊ったりするのが好きでした。木の枝を運んでいた木こりに小さな車一杯の枝をもらい、組み合わせて木の家を作りました。この家は藁の家よりは頑丈でしたが、つなぎ目はゆるんでいました。後で直せばいいと考えた次男は、長男の家に遊びに行ってしまいました。
ページ 4
末の子は慎重に風向き、地面の状態、水の流れを観察しました。仕事と交換でレンガを手に入れ、モルタルを混ぜて一列ずつきちんと積み上げていきました。二人の兄が見に来て「作業が遅すぎる」と笑いましたが、末の子は落ち着いて、次は一緒に上手く作れるようにレンガの積み方を学ばないかと二人に声をかけました。
ページ 5
近くの森に、村の周りで食べ物を探している一匹のオオカミがいました。藁の家から漂うパンの匂いを嗅ぎつけたオオカミは、ドアを叩いて「中に入れろ」と要求しました。長男が断ると、オオカミは深く息を吸い込んで強く吹き、藁を草原中に飛び散らせましたが、長男は裏口から間に合うように逃げ出しました。
ページ 6
長男は次男の木の家に駆け込み、二人がドアを閉めたのと同時にオオカミが現れ、またも「中に入れろ」と要求しました。断られたオオカミは頬を膨らませて一度目の息吹で家を揺らし、二度目の息吹で木の枝をバラバラにしました。二匹の子豚は短い道を逃げて、間に合うようにレンガの家にたどり着きました。
ページ 7
末の子が二人の兄を家に入れると、みんなでかんぬきをかけ、窓を確認し、青銅のベルで近所の人々を呼びました。オオカミが到着し、深く息を吸って精一杯吹きましたが、レンガの家は少しも倒れませんでした。もう一度挑戦しましたが、庭の葉が数枚舞い上がっただけでした。
ページ 8
ドアから入れないと分かったオオカミは屋根に登り、煙突から中に入ろうとしました。三匹の子豚は物音に気づき、危険な罠は仕掛けずにすぐに火を消し、炉の口に厚いネットをかぶせて灰の落とし穴の蓋を開けました。オオカミは滑り落ちてすっぽりネットに捕まり、怪我はしませんでした。
ページ 9
近所の人々が駆けつけました。オオカミは何日も空腹で、力さえあれば他人の食べ物を奪ってもいいと思っていたと白状しました。末の子は「お腹が空いているのは解決できる問題だけど、脅したり家を壊したりするのは間違いだ」と言いました。オオカミは二軒の家を建て直す手伝いをしてから、食事を与えられることになりました。
ページ 10
オオカミはその条件を受け入れました。大工のおじさんの指導のもと、オオカミは力を活かしてレンガを運び、長男はモルタルを混ぜ、次男は骨組みの寸法を測り、末の子は地面の状態を確認しました。みんなで協力して、共有の中庭を囲む三軒の小さな家を建て上げました。藁は豚小屋の屋根に、木の枝は塀に使われました。
ページ 11
作業をする中で、二人の兄は末の子がのろまだったのではなく、みんなを守るために時間をかけていたのだと理解しました。末の子もまた、遊びや音楽が仕事を楽にしてくれることを学びました。三匹は次は前もって計画を立て、難しい作業を一緒に終わらせてからコンサートを開こうと約束しました。
ページ 12
オオカミは約束を守り、レンガ工場で仕事をもらい、強い息吹を活かして安全な距離から火を起こす役割を担いました。壊した材料の分を返し、丁寧にドアを叩くことを学び、二度と誰かの家に無理に入ろうとはしませんでした。数ヶ月にわたって変わり続ける姿を見て、村の人々も次第にオオカミを信頼するようになりました。
ページ 13
三匹の子豚は母を新しい家に招待しました。母豚はどの家も頑丈で、避難路と警報ベルが備わっているのを見て喜びました。長男が笛を演奏し、次男が踊り、末の子がパンを並べました。オオカミが門の外に立って許可を求めると、みんなに招かれて一緒に食事を楽しみました。
ページ 14
それから三匹の兄弟は、安全な家の建て方を教える小さな工房を開きました。知らない人を批判することはなく、誰もが藁、木、レンガをそれぞれ試して、それぞれの用途の違いを学べるようにしました。オオカミは運搬係を務め、過去の過ちをいつも正直に話して、同じ過ちを繰り返さないよう自分に言い聞かせていました。
ページ 15
この物語から、慎重さが自分と大切な人を守ることにつながると分かります。協力すればどんなことも簡単になります。過ちを犯したら、行動で償って受け入れられるように努め、変わろうとする人にはいつも寛容でありましょう。



































